沢登り用のザック(バックパック)の選び方と使用遍歴からのオススメザック
今回は沢登りで使うザックについてもう少し詳しく書いてみたいと思います。これから沢登りを始める方への情報源になれば幸いです。
装備についての概要は下記をご覧ください。
沢登りで使うザック(バックパック)について
私が沢で使っているザックです。ギアの量にもよりますが、日帰りの沢では20ℓ~40ℓ位。泊まりの沢だと50ℓ~65ℓ位の容量の物を使い分けてます。
水の浸水を防ぐために、中の荷物をシッカリ防水します。防水に関しては後述します。
モンベルや秀山荘などで沢登り専用ザックも販売されています。これらはメッシュ構造になっていたり底面に穴が空いていたりして水抜けが良い構造になっています。
が、結論から言うと登山用のザックを流用してOKです。沢登りも登山ですし。
沢登りでは荷上げやヤブ漕ぎ、泳ぎやチムニーなどで酷使するため、引っ掛かる原因になるポケット類が少なく、丈夫な物ならば何でも使えます。実際山岳会の仲間は古い使わなくなったザックを使っている方が大半です。
実際のところ、そんなに頻繁に行かない方でしたらワザワザ専用の物を買う必要はないと思います。
しかし、通常のザックをそのまま使っていると不便だなと思う場面もあります。また、今は海外輸入も盛んになりキャニオニングザックなどの便利なアイテムが増え、沢登りで使えるザックの選択肢が増えました。今まで使ってみたザックを含めてご紹介したいと思います。
また、通常のザックをちょっと改造するだけで沢登り用ザックとして使いやすいものができますので、併せてご紹介します。
日帰り用ザック
通常の登山用ザックの改造品 TNF TELLUS 32ℓ
使い古したザックに水抜き用の穴を空けて沢用にしております。普通のザックなので特筆すべきポイントはありません。これで必要十分。穴あけについては後述します。
キャニオニングザック trangoworld CANYON 50ℓ
キャニオニング用のザックです。
キャニオニング用ザックは水抜き用の穴があり、またターポリンのものが多く擦れに非常に強いのと、生地自体が保水しないので乾きやすいです。
沢登りだと生地に水や汚れがたまりどうしても臭くなるので、このようなザックはメンテナンス性能に秀でています。
欧米諸国ではキャニオニングが盛んなので実は数多くのメーカーが作っているのですが、日本では殆ど輸入されていないのでTREKKINNなどで個人輸入することで入手できます。日本で直接購入できるのはPETZLのアルカナドールのみでしょう。
ケイビングザック Singing rock GEAR 35ℓ
ケイビング用のザックです。これもペツルの商品以外は日本には売ってないので基本輸入となります。
ケイビングに力を入れていた学生時代は色々使っていました。
構造としてはキャニオニングザックとほぼ同じで、穴の有無のみの違いとなります。
湿潤な洞窟の中を引きずり回すために余計なパーツが無く、防水性が高いです。上部から以外は水が入ってこないので、シャワーがあったり長く泳ぐ沢でなければ内部をドライに保つことができます。最強クライマーの佐藤裕介さんはペツル製のポルタージュを使っているみたいです。
防水性はスレなどにより失われますので、使い古したら思い切って穴を空ければキャニオニングザックに。
沢登り専用ザック モンベル サワークライムパック&デイパック
モンベルで売られているザックです。以前はマウンテンダックスの沢用ザックがありましたが、廃番となりました。そのため東京の秀山荘オリジナル商品以外で直接購入できるのは2020年現在モンベルのみとなります。
恥ずかしながらこの商品は使った事がありませんので、店舗で見てきただけです。
メッシュ構造で水はけが良さそうですね。機会があれば購入してみたいと思います。
ポータブルザック mountain dax
ポータブルザックは生地が薄いので保水しにくく、乾きやすくかつ洗濯しやすいのでギアが少ない沢では非常にオススメです。安いですしね。
ターポリン製防水ザック
山仲間のイボGさんが使っているザックです。
ザック部分がターポリンのロールトップで防水スタッフバッグのようになっており、ウォータースポーツ等に使われているものです。防水性が非常に高く、意外と堅牢で便利みたいです。
パタゴニアでも同じようなのが販売されてますね。
宿泊用ザック
モンベル ゼロポイント 65ℓ
宿泊の場合は荷物が多いので、大型ザックに水抜きの穴を空けて使用しています。ギアの量によってはもう少し小さい物を使用する事も。
大型ザックの場合、水抜きの穴を空けないと泳いだ時に重くて大変な思いをします。実を言えば上手く隙間無くパッキングしていれば、水の入るスペースもなくなるのでそんなに浸水はないのですが・・・。
あとは縦走で使うようなポケットがゴテゴテついたものだとゴミが詰まったり重くなったり、ヤブ漕ぎで木が引っ掛かったりとあまり良い事は無いです。シンプルな物を選びましょう。
前述したキャニオニングザックにも宿泊に対応した大型サイズがありますので、機会があれば輸入したいと思います。下記サイトは日本への輸入も対応しています。
結局オススメのザックは??
個人的にはターポリンのザック、つまりキャニオニングザックやケイビングザックを強くオススメします!ターポリンのザックを使い始めてからはナイロン生地のザックは全く使わなくなりました。
ナイロン生地のものは結局生地自体が保水するんですよね。なのでどうしても乾きが遅く、同時に汚れも繊維に溜まるので使い込むと臭いも気になります。
国産ブランドの沢用ザックを使ってこなかった理由もコレです。沢から上がると雑巾臭くなってくるんですよねぇ。。
山行中はどうでも良いのですが、ターポリンは下山後のメンテナンスが非常に楽です。
日本のメーカーも沢用ザックとしてターポリンのザックを販売すれば良いのになぁ。
ザックの穴空け
登山用ザックをそのまま使うと、泳ぎのある沢では割と大変だったりします。
登山用ザックは堅牢性を高めるために割と目の細かいナイロンが使われていたり、防水性を持たせていたりするため水抜けが悪いです。泳いでいるときは良いのですが、岸に上がるとザック内部に流れ込んだ水が非常に重いです。
そのため、ザックの側部や底部に穴を空けて水の抜け道を作ると良いです。ただ穴を空けるだけだとそこから生地が破れやすくなるので、裁縫用のハトメで補強します。穴あけは熱したドライバーでOKです。
穴あけしたザック
ザックの防水について
沢では泳いだり滝に打たれたりするので、必ず中の荷物も防水します。完全防水のザックでも、泳ぎの多い沢だと浸水することがあるので必ず行います。
防水は大きめのゴミ袋などでしっかりと包めばどうにかなりますが、専用の防水スタッフバッグが便利です。
私は4つのサイズを目的別に揃えています。沢登り以外でも通常のトレッキングでも使えるので便利です。
こんな感じで開口部を締めることで防水します。注意点としては、泳ぎなどで水圧がかかると浸水する可能性もあるので、電子機器やシュラフなど絶対に濡らしてはいけない物は2重以上に防水しましょう。
オススメの防水スタッフバッグ
生地の分厚い防水スタッフバッグを使うのがベターです。薄いものだと岩やギアの角、植物のトゲ等であっという間に穴が空き、浸水しやすいです。
ある程度分厚い生地のものがオススメですが、ターポリンのものだとちょっと嵩張りすぎかなといった印象です。個人的にはモンベルのライトドライバッグが一押しです。
生地の丈夫さと柔らかさのバランス、防水性が最高です。
以上、ザックと関連する小物について解説しました。また使ってみて良い商品がありましたら適宜追記していこうと思います。
沢登り用のシューズの選び方と今まで使ってきた沢靴のレビュー
暖かくなってきて沢シーズンが近づいてきました。
以前沢登りの概要について簡単に書いてみましたが、今回はシューズについてもう少し詳しく書いてみたいと思います。これから沢登りを始める方への情報源になれば幸いです。
scolopendra-oniisan.hatenablog.com
沢登りで使うシューズ
沢登りは日本の伝統的な登山スタイルであると同時に、渓流釣りの釣り師たちの移動手段でもあります。
また、欧米では沢を下るキャニオニングというスポーツが発展してきました。
このような様々なバックグラウンドにより、沢登りで使えるシューズは登山専用のものから釣り用まで選択肢が広いのが特徴です。その中で沢登りのスタイルによって好みが分かれます。それぞれの特徴を挙げてみます。
①沢登り専用シューズ
モンベルやキャラバンなどのメーカーから販売されているシューズです。トレッキングシューズなどの山靴に沢登りのノウハウが詰め込まれた商品です。シューズタイプのものからタビタイプのものまで様々なものがあります。
専用シューズということもあり、当然使用者は一番多いです。構造上も水流が入りにくくなっていたり、水はけがよくなっていたりします。
ソールはフェルトソールとラバーソールがあり、それぞれ一長一短です。シューズの特徴も含め、後述します。
②日本の伝統、タビ&ワラジ
ヌメりに対して絶大なフリクションが得られるのが最大の特徴です。デメリットとしてはワラジの消耗が激しいため自作しなければコストパフォーマンスが悪い点が挙げれられます。私は作ったことはありませんが、PPロープで編むと耐久性UP&原価が数百円になりコスパが良いみたいですね。
購入すると手間はかかりませんが、1つ2千円近くするワラジが一回の沢行でダメになってしまい、結局沢用シューズを買った方が安いのでもはや趣味のレベルです。
いずれにせよ、現代の沢登りにおいて使用者はごくわずか。
③釣り用シューズ
鮎釣りや渓流釣りのために作られたいわゆるウェーディングシューズです。
フィッシングタビ などの商品名で売られており、ソールには沢登用のシューズと同様にフェルトが張られていたり、スパイクのついているものもあります。
価格はピンキリですが安価な物も多く、使用者は割と多いです。割と高価なウェーディングシューズはスパイクがついていたりフェルトとゴムの混合ソールなどがあり、沢登ようのシューズでは見られないラインナップもあります。
しかし、クライミングなどのシーンは想定していないため、細かいフットホールドへの立ちこみなどは苦手なものが多いです。
学生時代は貧乏だったのでよく使っておりましたが、セール品やアウトレット品などを狙えば実はそんなに沢専用シューズと値段が変わらないことに気づいてから使っておりません。
とはいえ、簡単な沢歩きをメインとする方にはコストパフォーマンス面から最適なシューズでしょう。
④キャニオニングシューズ
キャニオニングで使用されるシューズです。アディダスなんかも作っていたりもします。基本的にはラバーソールとなるみたいですが、日本では個人輸入か一部のキャニオニング用品販売店以外ではまず購入できません。
割と種類があるのと見た目がカッコいいので一度は使ってみたいところ。
どうしても欲しい人はCANYON STOREとかEXPEで日本へ輸入できるので買ってみたらよいのではないでしょうか。
⑤その他
そもそも水に入ることを目的として作られていないシューズを用いる人もいます。代表選手がハイパーVです。使用感などは後述しますが、圧倒的なコストパフォーマンスの高さがメリットです。
そのほか沢靴よりも高価なアプローチシューズで沢に突入する猛者なんかもいます。
あとは、難易度の高い大滝登攀などではクライミングシューズを用いたりもします。平山ユージさんが称名滝登るときには沢靴とクライミングシューズを使い分けてましたね。
上記のように色々とあり、色々使ってきましたがこれから沢登り始めるよって方は専用シューズを買いましょう。やっぱりスタンダードが一番。
ソールについて
具体的な商品名を挙げる前にソールについて解説します。
前述のとおり、沢登り用シューズのソール(靴底)には大きく分けるとラバーのものとフェルトのものがあり、それぞれメリット・デメリットがあります。
①フェルト
フェルトはウールなどの動物の毛を押しつぶしてシート状にしたものを指します。
フェルトソールのものはヌルヌルとしたコケやバイオフィルムに強く、オールラウンドに活躍できる点がメリットとなります。素材は化学繊維のものとウールを使ったものがありますが、ウールのものの方が目が細かくフリクションが良いです。しかし値段はメチャクチャ高いです。
フェルトのデメリットとしては、まずソールの減りが早い事です。大体山行日数で考えると15日~20日位でダメになってしまう感覚です。
また、ソールが完全にフラットなので泥壁や登山道などでは滑りやすいです。そのため、高巻きなどではチェーンスパイクや軽アイゼンをつける仲間も居ます。
私は泥壁をフェルトで歩くときは、つま先をしっかりと蹴りこみ段差をつけながら登り降りします。雪山でのキックステップと同様のイメージです。
沢から上がってから長く歩く沢では減りが激しくなるのでアプローチシューズを別途持っていった方が良いです。
②ラバーソール
水中でも滑りにくい柔らかいゴムを使ったソールです。ヌルヌルとしたコケの生えていない岩において絶大なフリクションを発揮します。フェルトソールでは滑ってしまうようなスラブでもピタッと止まるので、飛び石や岩登りの多い沢で有効です。
また、硬さがあり通常の登山靴のようにも使えるのでアプローチシューズを兼ねることができます。
デメリットとしては、ヌルヌルのコケや岩には弱い点です。慣れないうちはいきなりツルーンと滑るので注意して歩きましょう。
☝フェルトとラバーどちらを選ぶべき?
初心者は安価でクセの少ないフェルトソールがオススメです。
とは言え大滝登攀や滝洞谷などのクライミング必須の沢ではラバーソールでないと突破不可だったりもするので、登り系の沢を目標としている方でしたら初めからラバーソールでも良いかなと思います。
ちなみにラバーソールはモンベルでは自社開発のアクアグリッパーが使われており、キャラバンではビブラム社製のIDROGRIP(イドログリップ)が使われてます。今は廃版となってしまいましたが、ファイブテンのアクアステルスというソールも非常に評価が高いソールでした。
私は両方使ってますが、ソールパターン、グリップ性能にそこまで違いは無いかなと思います。どちらも岩の上ではクライミングシューズの様にピタッと止まります。
☟モンベルのアクアグリッパー
☟ビブラムのイドログリップ
山岳会によってはフェルトにすべきだラバーにすべきだなど議論されることもありますが、沢登りで重要なのは歩き方やルート取りです。
クライミング必須の沢でなければどちらのソールでもどうにかなりますし、シューズに頼らないと遡行できないようであれば単なる技術不足でしょう。
沢靴の靴下
基本的には靴下を履きますが、タビ系の沢靴の場合はネオプレンに包まれて靴ズレがしにくいのでクライミングシューズのように素足に履いたりもします。
靴下は登山用の靴下でも構いませんが、沢用の水はけの良い素材でできているソックスやネオプレンのものなどがあります。オススメは保温性の高いネオプレンソックスです。私はキャラバンの渓流ソックスを愛用しております。
各商品の紹介とレビュー
現在稼働中の沢シューズたちです。セールやアウトレット品などで安いものを見つける度に購入していたらこんな量になってしまいました。フェルトソールの物は予備含めて4足。ラバーソールの物は3足。
メーカーはキャラバンとモンベルから販売されております。あとは登山用品店の秀山荘がオリジナルシューズを出しておりますが、購入場所は限られます。
以前はファイブテンも出してましたが現在は販売しておりません。
私は諸事情でモンベル商品ばかり使っておりますが、メーカーによってそこまで大きな差異は無いかと思います。
過去に使ったシューズも含めて、レビューしていきたいと思います。
フェルトソール
①モンベル サワーシューズ
価格(2020年3月、2022年4月現在)6820円税込
モンベルから出ているタビ&ワラジをイメージして作られた沢靴です。私のメインシューズの一つとなっています。
クロロプレンゴム製のタビタイプなのでフィット感・保温性が非常に優れています。また足裏感覚に優れたシューズで、足先でつまむような感覚で小さなフットホールドに立ち込めます。つま先が柔らかいので石を蹴っ飛ばしてしまうと非常に痛い点が短所です。
価格も専用シューズの中では安く、モンベルのアウトレットでは一足4000円位で販売されてたりします。
初心者の最初の一足からベテランまでオススメできます。迷ったらこれを買っておけば間違いないと個人的には思ってます。服部文祥さんもヤマケイでべた褒めしてました。
つま先がタビの様に分かれておりますので、靴下選びは注意してください。
フィット感が良いので私は裸足で履いておりますが、靴擦れする人も居るので靴下履きが無難です。
②キャラバン 渓流タビ
価格(2020年3月)8580円税込 (2022年4月現在)9240円税込
キャラバンから販売されている沢タビです。
コンセプトと構造については上記のサワーシューズとほとんど変わりませんが、大きな違いとしては足首にファスナーがついている点とつま先がアウトソールもタビの様に分かれいる点です。
サワーシューズにはファスナーがついていないので、足の形によっては結構脱ぎにくいのですが、こちらは楽に脱げます。指が分かれている分、より一層つま先感覚が豊かです。
③モンベル サワートレッカー
価格(2020年3月、2022年4月現在)14190円税込
足首にサワーシューズと同じようなクロロプレンゴムが使われているので、水流・砂利の侵入が防げます。
2021年より大幅なモデルチェンジとなり、ダブルブーツのように紐靴がスパッツで覆われるような形になりました。足形も若干変わったみたいです。
タビタイプのものよりも堅牢性があるので岩を蹴っ飛ばしても痛くないです。一応リソールもできるのですが、フェルトの寿命に対してのコスパがあまりよろしくないので私は現在は使っておりません。
履きやすいので初心者に大変オススメできるシューズです。
ラバーソール
①キャラバン KR_3XR
価格(2022年4月現在)17600円税込
※私が現在持っている下記画像のものは、古いモデルのKR1です。
基本的な構造はモンベルのサワートレッカーなどと同様です。足首のクロロプレンゴムが無い事が大きな違いとなります。
3mmのネオプレンソックスを履くことが前提のサイズ感なので通常の靴よりも大きめです。また、水にぬれると若干生地が伸びるような気がしますので、少しキツ目のサイジングで調整した方が良いかもしれません。私の沢仲間もこの靴を愛用しておりますが、同様のことを言ってました。
これは5年位前に購入してメインシューズとして使ってきました。
ソールはほぼ無くなりましたが、イドログリップは非常に優秀でクライミングシューズのようにゴム自体のフリクションがあるのでしょう。ブロックパターンがほぼ消失しても岩でのフリクションを保ってます。
②モンベル サワークライマー
価格(2020年3月)15400円税込 (2022年4月現在)16390円税込
2018年まで販売されていたサワートレッカーRSのリニューアルモデルです。要はサワートレッカーのラバーソールモデルとなります。ソールも改良され、ブロックパターンが若干深くなり、つま先をラバーで覆う形になったので靴底剥がれしにくくなりました。
こちらもサワートレッカーと同様に2021年よりダブルブーツ方式になり、大幅なモデルチェンジがなされました。前回のリニューアルで足形が細長くなり、つま先が余ってしまう点が難点でしたが、若干の改良がなされているようです。
堅牢なこととラバーソールでアプローチもこなせることから、現在泊まりの沢やクライミング要素のある沢でのメインシューズとなっています。
2022年現在はキャラバンのラバーシューズとそんなに値段が変わらなくなってきました。廃盤?となったキャラバンのKR_4は2万越えと沢靴としては高すぎましたね。
③モンベル サワークライマーリールアジャスト
価格(2020年3月現在)15400円税別 2022年現在 廃盤
残念ながら廃番になってしまいました。
サワークライマーの靴紐がBoaフィットシステムになり靴全体のフィット感が向上し、着脱がより快適になっています。また、アッパーがよく見るとローカットになっており、足首の可動性が高まっています。
私はサイズをワンサイズ下げタイト目のフィッティングで購入し、クライミング要素の強い沢用に使用しております。
値段はモンベルのシューズの中では高めですが、とても快適なシューズです。
④モンベル サワタビ
価格(2020年8月)7480円税込 (2022年4月現在)8800円税込
2020年6月より使いはじめました。サワーシューズのラバーソール版です。
履き心地はサワーシューズとそんなに変わらない印象。ベルクロでの締め付けなので、脱ぎ履きが楽です。
足裏感覚は抜群で登り系の沢で調子よい感じですが、ソールは薄めで泊まり沢では足裏が痛くなるので使いません。
また、別売りの『サワーサンダル タビ用(5000円税別)』と組み合わせる事でフェルトに変換可能とのこと。これは買う人いるのだろうか・・。使うタイミングがわからないので、私は買いません。
その他
ハイパーV #003
価格(2020年3月現在)約2500円~3500円税別 位
これはアウトドア用シューズではなく、作業用シューズです。日進ゴムにより開発されたアウトソール『ハイパーV』のフリクション性能がすさまじく、また圧倒的なコストパフォーマンスから一部クライマーや沢屋に人気です。
アウトソールはこんな感じです。
友人のイボGさんはこれで滝洞谷などの高難易度の沢なんかも完全遡行しました。
実際に沢で使ってみると、やや目詰まりしやすいですがフリクション性能は抜群です。
フリクションだけならばイドログリップとあまり変わらない性能と言えるでしょう。
その一方、やはりアウトドア用のシューズではないということがデメリットかもしれません。
とにかくアッパーの耐久性能が低く、アウトソールがはがれやすいためすぐにみすぼらしい風貌になってしまいます。また、フィット感もあまりよろしく無いので初心者の最初の1足にはあまり適しておりません。
ただし、それらのデメリットを差し引いてもこのコスパとフリクションは余りあるメリットと言えるでしょう。
選ぶ際はつま先に芯の入った安全靴タイプと入っていないスニーカータイプがあるので注意。安全靴タイプで下山すると足爪が死にます。#003が先芯無しタイプです。
今後使ってみたい気になる沢靴
①モンベル パドリングシューズメッシュ
価格(2020年3月現在)約8800円税別
東京の沢仲間がよく使っています。ソールはサワークライマーと同じくアクアグリッパーで足裏感覚が良くクライミングしやすいのと価格が安くて良いみたいです。
②MIC CANYON
価格(2020年3月現在)€64.90(約8000円位)
キャニオニングブーツです。値段が割とお手頃なのと、ソールパターンが気になるところ。ケイビングブーツっぽいのかな。気が向いたら買ってみます。
以上、長々となりましたが沢登りシューズについての紹介でした。使用シューズが増えましたら適宜更新していきたいと思います。
また、こういったオススメシューズがあるよ!というのがあれば教えていただけると嬉しいです。
福井県敦賀市 中池見湿地でアメリカザリガニ駆除 【2020年3月21日】
メンバーは私、Y夫妻とHパイセンの4名。
元々はいつものように敦賀港で釣りを楽しむ予定でした。
しかし、長潮・寝坊と明らかに釣れない要因が重なり、かつ現地でも全く釣れる気配がせずそうそうに撤収。
せっかく来たしどこか良いところないかなと敦賀周辺の観光マップを眺めていると、なんと敦賀港のすぐ近くに『中池見湿地』というラムサール条約に指定された湿地が。
中池見湿原は2012年に越前加賀海岸国定公園の一部として指定され、その後ラムサール条約に登録された湿地だそうです。かつては水田として利用されていた泥炭湿地とのこと。場所的にもいい感じの里山環境・沼沢地がありそう!
最近Hパイセンとトンボの飛び交う湿地作成計画を建ており、目標となるランドスケープを理解して貰えるんじゃないかと思えここに行きましょう!とゴリ押しし、行ってみることになりました。
藤が丘駐車場から入園。この駐車場は小さく15台程度。あとで調べてみたら東側の樫曲駐車場の方が大きいようです。湿原は盆地のようになっており尾根を越えていく必要があるのですが、なんとセルフで動かせるスロープカーがあります。
ここら辺がかつての水田跡でしょうか。ビジターセンターには生息する淡水魚などが生体展示されています。
2月に繁殖期となるニホンアカガエルが既にふ化してます。オタマだらけ。
アメリカザリガニやウシガエルなどの外来種の駆除に力を入れているようです。来園者に網と長靴が用意されていて在来種はリリースすることを条件に自由に園内でアメザリを採集する事ができます。
フィールドワーカーの血が騒ぎ、さっそく全員で挑戦。言うまでもなく私たち以外はほぼ子連れのファミリーです。
ザリガニリーダー
本気で採集する30代の男女ら
Hパイセンが捕獲した15センチほどのドンコ。これはでかい。
ドジョウ。ここにはザ・ドジョウの他にシマドジョウ、ホトケドジョウ、あと未記載種のドジョウが分布しているとのこと。その他日淡はキタノメダカ、フナなどが捕れました。
1時間強頑張り62匹のアメザリを捕獲。
久々にガチモードで採集ができて楽しかったです。
巨大なオオタニシも。マルタニシに似ていますが、ちょっとだけ細長いフォームをしてます。
軽い気持ちで行ってみましたが、中池見湿原は自然環境豊か最高に楽しめました。北側の湖沼には時間の都合上たどり着けなかったので、次回は訪れてみたいと思います。
右足果部腓骨・脛骨骨折 復帰までの記録 ③抜釘手術してきました
骨折から1年と1か月、とうとうプレートとボルトを抜く抜釘手術を受けてきました。
骨折の経緯は下記
アイスクライミングで右足果部 腓骨・脛骨骨折 復帰までの記録 ①受傷から手術~退院まで - ムカデのおにいさんのブログ
アイスクライミングで右足果部腓骨・脛骨骨折 復帰までの記録 ②リハビリ~登山復帰まで - ムカデのおにいさんのブログ
素晴らしい理学療法士さんに巡りあえ順調に回復し、クライミング・登山での身体能力は以前とほぼ同じ位まで戻りました。
ただ気持ち的には少し弱気になり、リード意欲が減退してました。あと物理的に岩に当たったり捻じれたりすると痛いのでクラッククライミングは全くやりませんでした。
●入院
前回の通院で担当医からプレートを抜くのか意思確認をされました。一応抜かなくても問題は無いみたいなので、しっかりと意思確認をされます。
ちなみに日本では9割位の人が抜釘手術をするのに対して欧米では医療費の問題から半分以下になるのだそうです。実際今回ケガしてみて、日本の医療制度の充実っぷりを実感しました。
そんなこんなで3月8日~11日まで入院となり、3月9日に手術が決定しました。
前回と違って完全に歩ける健康な状態なので、実際に病院について入院するのには物凄く抵抗感がありました。
●手術
手術は午前に執り行われました。足の毛をキレイに剃って、手術室までも自分の足で歩いて行きます。麻酔は前回同様腰椎麻酔。
ここまで来たらまな板の上の鯉です。プレートを入れる時のようにドリル音などは無かったので比較的リラックスしてました。
手術時間は約1時間半。またけが人に戻ってしまいました。
手術後は4時間ほどで麻酔が切れてきました。骨折したときは麻酔が切れた後は痛くてたまりませんでしたが、今回はまあちょっと痛いかなという程度。
色々とネット上で調べてみると抜釘手術の方が痛かったという記録もあったので心配してたのでよかったです。痛みよりも、尿カテーテルを入れた状態で終日ベッド上から動けない方が辛かったです。
あと前回酷かった麻酔後の頭痛は今回もありましたが、1週間ほどで収まりました。
翌日からは尿カテーテルも点滴もすべて外し、歩行の許可が出ました。痛みは勿論ありますが、骨はくっついているので全荷重OKです。
●退院
もう一泊してやっと退院できました。外の空気がうまい。
埋め込んでいたプレートとスクリューはどうするか確認されましたが、プレートだけ記念に貰ってきました。思っていたよりも小さいですね、そのままフックつけてルアーに使えそう。家具のパーツと言われてもわからないかも。
ちなみに、医療費の明細を見たらこれだけで8万円近くします。
足はまだ腫れており、1か月位は激しい運動を控えろと指示されました。骨に空いた穴は2か月ほどで埋まってくるみたいです。
今回の手術でまた登山やクライミングはしばらく出来なくなりますが、やっと骨折の終わりが見えてきた気がします。沢シーズンまでにしっかりと歩けるようになりたいですね。
ちなみに入院費・手術費含めた費用ですが、骨折時のプレート埋め込み手術では大体21万円位、今回の抜釘手術では6万円位で済みました。病院や手術内容によって異なるかもしれませんが参考までに。
西表島のジャングル探検 ギンゴガーラ川~仲良川 沢登り【2019年10月12~13日】
ちょっと前の記録になりますが、いつもの山仲間と一緒に西表島へ沢登りに行ってきました。
このメンバーで西表島の沢に行くのは2回目。前回は王道ともいえるヒナイ川~浦内川。今回はちょっとマイナーなギンゴガーラ川。時間の都合上1泊2日で行けるルートで組んだ結果ここに。山から入り、浮き輪に5時間も揺られながら海に抜けるという西表島ならではの素晴らしい沢登りを楽しめました。
●メンバー:Kさん、Tちゃん、Nさん
●装備:一般遡行装備+登攀具一式+浮き輪
※西表島の沢登りでプロテクション類は不要です。海水でサビついて泣きを見ます
●体感沢グレード:2級 要読図・巻き力
●テン場:少な目
●フリクション:ヌルヌル。フェルトがオススメ
●見所:南国特有の渓相
往路の浦内川遊覧船と復路の白浜からの定期バスのダイヤは本数が少ないので注意。タクシーは台数が少ないので要予約です。
ルート図
浦内川遊覧船船着き場からスタート。途中までは散策路を歩き、マリュドゥの滝展望台脇からギンゴガーラ川に入る。テン場は分水嶺を超えてから適当に。
1日目:星砂キャンプ場…浦内川遊覧船乗り場(9:30)~軍艦岩(10:00)…マリュドゥの滝展望台(10:20)…入渓地点(10:20)…ギンゴガーラ川遡行…ギンゴガーラの滝(11:30)…分水嶺(15:40)…テン場(16:45・泊)
前泊は星の砂キャンプ場。テント代を1日分余分に払い、テントをデポさせてもらい山行に出ました。ちなみに西表島には南風見田キャンプ場、ミトレアキャンプ場、星の砂キャンプ場がありますが、個人的には沢などで行く分にはコンセントが使えてシャワーも入り放題、荷物も預かってくれるミトレアキャンプ場がオススメです。
浦内川遊覧船乗り場で登山届けを提出し、乗船。いつものように片道利用で往復料金2200円・・・。こればかりはしょうがない。
軍艦岩からマリュドゥの滝展望台までは遊歩道を歩きます。
この遊歩道を奥まで歩いていくとカンピレーの滝、マヤグスクの滝、西表島縦断路につながります。
マリュドゥの滝。
ここは15年くらい前までは滝つぼまで遊歩道が続いていたのですが、観光客が溺れる事故があったとのことで今は封鎖されています。
マリュドゥの滝展望台の脇からギンゴガーラ川に降ります。
後ろから観光客が遊歩道と間違えてついてきてしまいました。ここは地形図を見ながら適当に。
何事もなく出合いに。奥に見えるのがギンゴガーラ川。
思っていたよりも小さな沢だなぁといった印象。
簡単に渡渉し、ギンゴガーラ川へ。渓相は穏やかで楽しく歩けます。
西表島を含め、八重山諸島周辺では八重山層群と呼ばれる非常に柔らかい砂岩層が見られます。実際に歩いてみると、簡単に削れてしまいます。本当に固く押し固めただけの砂って感じです。
また、西表島の沢では岩が柔らかい事もあり甌穴(ポットホール)が発達します。
こんな感じでグネグネとうねった景観も見どころ。
ギンゴガーラの滝。起伏の激しい西表島には観光地にはなってないけど素晴らしい大滝が沢山あります。ここは右岸巻き。
いくつか事前に記録を見ていると、結構難儀そうだったので構えて取り掛かりましたが、弱点を突けば容易な巻きです。
西表島特有のミルフィーユのような地層により、一見登れない高さの崖に阻まれているように見えますが、少し戻ると小さな支流の滝があり、その脇のルンゼから登れます。
滝上に出ると西表島の地形の不思議さを感じることができます。
平たくなった沢筋からは水が消え・・・
沢の脇から水が出ています。
だったらそっちが沢だろうと思うかもしれませんが、実際に行ってみると本当に沢の脇から水が出てるんです。伏流した水流がちょっと外れたところから湧いているという感じでしょうか。
しばらくすると水流が戻ります。
水流により丸まった石。
ヤエヤママルヤスデ。赤と黒のカラーリングが美しい日本最大のヤスデです。
西表島では普通に見る事ができます。
平凡な渓相が続き、直登できる小さな滝や西表島名物の濁った瀞などを越えていくと、段々と沢が細くなっていきます。
最後の方は水流が少なくなり、ヤブとゴーロが混ざったような狭くて進みにくい渓相となります。
分水嶺越え。
距離は短いですが、地形図に載らないスケールの地形の起伏が多く非常に読図しにくいです。GPSをチラ見しながら尾根を越えます。
ここでヌカカの大群に襲われました。私は半そでだったのであらゆるところを刺され、未だに刺された跡が消えません。こんなジャングルで半そでで遡行する私が悪いのですが、まあこれも西表島ならではの体験だということで。
分水嶺を越えて沢筋に入ると、15mほどの滝があります。
ここは左岸の立木を使って懸垂。
フリーで降りられる滝の所に平たいスペースがあったので、ここをテン場としました。西表島の沢全体に言えることですが、草木の生い茂るジャングルなので幕営適地は少な目です。
滝のすぐ脇なので水しぶきを浴びながらの就寝です。オオハナサキガエルがお腹の上に飛び乗ってきて起きるというレアな体験もできました。
2日目:テン場(7:00)…ナーラの滝(8:30)…船着き場(9:30)…白浜港(14:00)
2日目です。天気も良くゆったりと朝食を食べスタート。
沢筋をひたすら下っていきます。
このようなプチゴルジュも出てきます。ギンゴガーラ川よりも仲良川の方が沢としての景観の起伏があり、下りも楽しめます。
この滝は右岸の灌木から懸垂。
小さいですが、ダイナミックな滝です。
段々と水量が増えてきます。
仲良川本流と合流したころには、大きなポットホールや滝などが出てきます。この西表島ならではの独特な地形は見てて飽きません。
ナーラの滝です。
ここは左岸の灌木を支点に懸垂しました。上から見ると若干ハングしているので50mロープで足りるか不安でしたが、下部のテラスに降りるのに十分足ります。
ナーラの滝まではトレッキングツアーが出ているらしく、ここから急に人の踏み跡が現れます。あとは沢沿いを適当に下ります。
船着き場のちょっと手前です。いきなり水量が増え、沢から川といったイメージになります。ここで大休止を取り、2日目の核心である浮き輪でのプカり準備に取り掛かります。ここから白浜港まで5時間もの長い長いプカりです。
今回私はボートタイプ、Tちゃんはマンタ、Kさんは浮き輪、Nさんはワニとそれぞれことなる浮き輪でトライしました。
ちなみに、破裂したらどうしようかなと若干不安を抱いてましたが、最悪両岸のジャングルにたどり着けば時間はかかりますが何とか歩いて帰れると思います。その場合はもう一泊増えることを覚悟してスタート。
こんな感じでボートの私は優雅なプカりを楽しめました。ザックは長スリでボートに固定。後ろに写っているのはワニでプカるNさん。途中何回かカヤックツアーの人たちに出くわし、ワニで華麗に下るNさんは大爆笑されてました。
しかしまあこのジャングルの川は流れがほとんど無く、自分でこがないと全く進みません。
走行性能・快適さからランク付けすると
ワニ>ボート>マンタ>浮き輪
って感じです。さすがに5時間も水につかりっぱなしでかつ全く進まない浮き輪はオススメしません。Kさんも大分疲弊してました。ワニは細長いので抵抗が少なくスピードがでます!
たまに岸で休憩をとりながら・・・。
河口に近づくと、干潮になりやっと歩けるようになりました。
干潟にはミナミコメツキガニの大群がワラワラと歩いています。
白浜港に到着!
なんと1日に3本しかバスが出ておらず、最終便が15:45!2時間ほど暇な時間を得られてので、荷物を乾かしたりジュースをガブ飲みしたりと時間をつぶしてバス乗車。
南国の強い日差しで荷物はバッチリ乾かして乗車することができました。
学生時代に西表島に魅了され通い始めて早十数年、今回も最高の沢旅を楽しむことができました。
国産トリュフことイボセイヨウショウロの発生場所と探し方について 【2019年12月9日】
今年も大学院時代の仲間たちと国産トリュフことイボセイヨウショウロを採集してきました。
一応おさらいですが、トリュフとはセイヨウショウロ科セイヨウショウロ属に属する子嚢菌と呼ばれるキノコの一種。「世界三大珍味」として名高く、近縁種が広く分布しております。日本では20種程が分布すると言われておりますが、その分類体系はハッキリしないところみたいです。
今年はいつもの黒トリュフに類似したイボセイヨウショウロの他、別な種類のセイヨウショウロが採れました。断面は真っ白。これは国産白トリュフにあたるのか。現在知人が同定中ですが、種が解る方いらっしゃいましたら教えていただければ嬉しいです。
さて、今回のフィールドですが、こんな感じの場所です。
ザ・照葉樹林といった植生です。シャリンバイ・アラカシ・シロダモ・クスノキ・タブノキ等が混在する雑木林となります。
探し方は至って簡単です。リターをひたすらひっくり返していくだけ。最初は団粒や小石との区別がつきづらいですが、慣れるとすぐに感触で解ります。
本場のトリュフは地中に埋没しているみたいですが、イボセイヨウショウロはポッコリと顔を出しています。ブタいらず。
発生期間は割と長いみたいで、10月位からボコボコと発生しているみたいです。
この場所はイボセイヨウショウロの発生地としては大分有名になっているらしく、私たちが採集した時には至るところに採集の痕跡が残っておりました。
ホストとなる樹種ですが、この場所に分布するイボセイヨウショウロについてはアラカシになるのではないかと勝手に推測しております。今回見つかったイボセイヨウショウロは全てアラカシを中心に同心円状に発生しておりました。
本場のトリュフに関してもブナ科に共生するようなので、同じくブナ科であるアラカシがホストとなる可能性は十分に考えられますね。
ちなみにYoutubeではミズナラ林っぽいところで採集している動画がありました。同種のイボセイヨウショウロなのかはわかりませんが。。
その他のキノコ
タヌキノチャブクロかな?
ニガクリタケ。一年中生えてるやつ
ツチグリ。ボフボフと茶色い胞子がでます。
最後に白トリュフ的なやつ。
色々見れました。
さて、採ったイボセイヨウショウロはいつものように皆で食べましたがやはりおいしいのかおいしくないのか良く判らなかったです。白トリュフの方がやや香りが強かった気もします。
本場トリュフとの香りの違いを確かめてみたいと楽天で本場トリュフを探してみましたが、お値段グラム3万位したので速攻で諦めました。
分布域は多分めっちゃ広いです。実際は見つけにくいだけで、そこらへんの公園で獲れるようなありふれたキノコなのでしょう。トリュフを自分で採ってみたい!って方は是非探してみてください。
鈴鹿でナメコとナラタケ狩り【2019年10月20日】
鈴鹿某所にて山岳会の仲間たちとキノコ狩りに行ってきました。今年は暑さが続き、夏のキノコがまだまだ残っておりナメコ採集にはちょっと早かったみたいです。
見られたキノコ
ナメコ・ナラタケ・マスタケ・ハナビラニカワタケ・スギヒラタケ・カノシタ・クリタケ・ベニタケ・ニガクリタケ・ハツタケ・ドクツルタケ・クサウラベニタケ・他よくわからん奴ら
狙いはナメコとナラタケ。私はキノコに関しては素人なので、詳しいHさんに連れて行ってもらいました。
スタート地点の林道脇から谷沿いに降りていきます。不法投棄のゴミだらけ。
早速ナメコを発見。ナメコは木材腐朽菌の仲間になるので木に子実体を発生させます。まだ樹皮の残る湿った朽木が良いらしい。樹種はブナ科。よく見るとミズナラの朽木にばかり発生していました。
高いところにも発生するので、同行したHさんとGさんは高枝切りのノコギリで切りとってビニール傘で受け止めていました。なるほどー参考になる。
別な場所では倒木に沢山発生しておりました。これは物凄く良い状態とのこと。確かに売っているナメコを大きくしたようでツヤとナメコ独特のヌルヌルが凄い。軍手でツマムとローションのようなヌルヌルでベチョベチョになるので素手で採集するのが良いです。皆でどっさい採集しました。
大きくなるとこんな感じ。ここまで成長すると炒め物や素焼きで食べるのが良いらしい。ちなみにここまで汚すと後で掃除するのが大変です。
続いてナラタケ。これは柄の部分が固めなので根元よりちょっと上から採集するのが良いらしい。全国に分布しており、いくつかの種類に分かれるらしい。
マスタケ。ちょっと見た目がグロいけど食べられるらしい。図鑑には柑橘系の香りとあったが、全然柑橘系の香りはしなかった。キノコの香り。これはちょっと食べる気がしなかったので採集はしませんでした。
カノシタ。ヒダが鹿の舌のようになっているためカノシタ。これも食用になるけど毒が含まれているため過食はよくないらしい。
ハナビラニカワタケ。見た目の通り、キクラゲの仲間。キクラゲをちょっと薄くしたようなビニールを丸めたようなキノコ。食用。
ドクツルタケ。これは私でもわかります。非常に毒が強い事で有名なキノコです。
お昼は採ったナメコを使ってランチタイム。
味付けして少しの水で加熱したナメコ。これだけでも旨かったです。
他様々なキノコを見る事ができました。採集したキノコはナメコとナラタケのみ。
ナラタケは食べたことがなかったので、軽く炒めて食べてみましたが旨味が強く絶品でした。沢山採ったので、ナメコは軽く水で洗ってそのまま冷凍保存。ナラタケは一度塩水に浸して虫抜きという工程を経てから冷凍保存しました。
いやーまた新たな山の楽しみを得る事ができた。