右足果部腓骨・脛骨骨折 復帰までの記録 ②リハビリ~登山復帰まで
前回は受傷~手術までの投稿となりました。詳細は下記
アイスクライミングで右足果部 腓骨・脛骨骨折 復帰までの記録 ①受傷から手術~退院まで
今回は登山復帰までの記録です。
簡単な時系列
●2月10日 受傷
●2月26日 ギプスからの解放
●3月27日 2分の1加重OK!立てるようになった
●4月9日 全加重OK!歩けるようになった
●4月29日 山復帰
●5月9日 ボルダリングジム復帰
●5月12日 フリークライミング復帰
手術から大体2か月位で2足歩行できるようになり、3か月程度でとりあえずは登山復帰することができました。この時期においては最も重要だったのが、しっかりとした理学療法士による指導のもと、リハビリを行うことです。
以下詳細を書いていきます
●受傷後 松葉杖での生活開始
麻酔の後遺症により以前体調は悪かったですが、有休も大分使っていたので2月21日に職場復帰しました。
まず足の状態からですが、浮腫みが酷く、暫く座っていると足がパンパンになりギプスに締め付けられて痛くなってくる状態が2週間ほど続きました。足の指の隙間は無くなり汗もかくので痒くて仕方がないです。エタノールウェットティシュでケアをしておりました。
歩行に関しては加重はもちろん全くかける事はできません。移動は松葉杖2本使って片足移動です。一応父の職場から車椅子も借りましたが、一人だとさらに移動が大変でしたので使用しませんでした。
松葉杖を今回初めて使用しましたが、これが非常にストレスでした。大体健常者が5分程で移動できる距離でも体力を使いますし、何より体重が掛かる脇の下が擦れて痛くなってきます。
幸いなことに相手方の登山保険により通勤移動にかかる費用も補償されたため、通勤はタクシーを利用しました。満員電車の地下鉄は無理です。
●ギプス外し
受傷から約2週間後の2月26日にギプスを外し、手術部位の抜糸をしました。意外と早く外すんだなと思いましたが、関節や筋肉が固まって動かなくなる『拘縮』を少しでも防ぐために、とっとと外して積極的に動かしてリハビリする方が良いらしいとのことです。ただし拘縮はすでに始まっており、足首はおろか足の指も曲げられない状態でした。
この時点で加重は一切かけられませんでしたが、動かすトレーニングを開始しました。
ちなみに下の画像は3月4日の状態。3週間程度で明らかに筋肉が落ちて右足だけ細くなっているのがわかります。くるぶしはパンパン。ここから治るまでの間にさらに足が細くなってきました。ちなみにスネ毛は手術の時に剃られました。
ちなみに余談ですが、ギプスと言う方とギブスと言う方がいらっしゃいますが、ギプス(Gips)が正解です。
●理学療法士によるリハビリ開始
さて、早速リハビリを開始したものの、今一正確なやり方がわかりません。主治医に聞いてもとにかく動かしてくださいとしか言わないし・・・。
私は公私ともに登山に関わっているため、とにかく早く治したいという思いから3月13日より職場の近くのリハビリを行っている整形外科に通うことにしました。結果として大当たりの理学療法士に出会う事ができ、早く治すことができました。実際に定期診察の際も主治医に拘縮と筋肉の回復が大分早いと言われたので間違いないと思います。
頻度は週2~3回、本格的に登山を開始した6月位まで会社の休み時間の合間をぬって通いました。料金は1回500円位なので月5000円程度の費用でしょうか。
リハビリの内容としては、拘縮を解くための物理的マッサージ、ストレッチ、トレーニング指導、骨折や内部組織の修復を早めるための超音波治療がメインとなりました。
具体的なトレーニング内容や施術は人によって異なると思うので省略します。
骨折の場合は通院間隔が長く、中々主治医からのアドバイスをもらうタイミングがないので、その時の回復状況を見ながら施術の他筋トレ方法などを指導していただける理学療法士さんには本当に助けていただいたと思います。
今回担当していただいた理学療法士さんは私が登山に復帰したいという目的でトレーニングしていることも汲んでくれてとにかく早く動かせるような内容で結構キツ目に指導して頂きました。
●2分の1加重~全加重
そんなこんなで3月27日に2分の1加重の許可を戴きました。1か月半ぶりに自分の足で立ち上がることができ感動しましたが、まだ歩けません。
下の画像は受傷直後の2月12日(右)と約50日後の3月27日(左)のCT画像です。まだ骨表面がくっついてはいませんが、骨内部は大分くっついてきている状態らしいです。
そこからもトレーニングを続け、4月9日には全加重の許可をもらいました。全加重というのは全体重をかけて良いので片足立ちしても良いとのことですが、筋力が落ちたのと痛みから中々うまくいきませんでした。
ちなみに、下の画像が全加重開始してすぐの写真です。大分細くなっており力が入りません。
とにかく歩くことができるようになったのと、あとは自転車に乗ることが出来るようになって移動が大変楽になりました。
自転車は転んだりして足をついたらヤバいかなとも思いましたが、理学療法士の方から「転びそうになったら足をつかずに体全体で倒れれば良い!そんくらいじゃ大したケガしないから!」と有難いアドバイスを頂き、筋トレも兼ねて自転車移動でウロウロしていました。
ここからはリハビリで指導頂きながら、暇な時は筋トレと歩くトレーニングを欠かさずに行いました。会社帰りにも自転車30キロ位漕いだりして、とにかく早く山の筋肉を取り戻したかったのです。
●4月29日 沢復帰
4月29日、とうとう登山、、というより沢に復帰しました。いきなり沢です。今思うとメチャクチャアホだなと思いますが、やはり一沢ヤとしてはGWはもう沢のシーズン、早く沢に行きたくて行きたくてしかたが無かったのです。
殆ど河原歩きとなる付知峡西股に行きました。しかしまあ歩けないこと歩けないこと。パワーがないので斜面はキツいし、飛び石ができないので沢歩きは遅いし、4時間位歩くと足首が痛くなるしと散々でした。ただ久々の山行に心躍り非常に楽しかったです。
●5月9日 ジム復帰
もうそろそろ行けるんじゃないかと思い、5月9日にジム復帰しました。しかしまあとにかく登れないこと登れないこと。5級が精いっぱいでした。足のパワーが無く立ち込みが全くできず、またつま先にパワーを加えるとまだちょっと痛かったです。
また、着地はまだ出来なかったため全てクライムダウンでした。ブチ落ちるかもしれない課題は怖くてできなかったです。
●5月13日 外岩復帰
ジムも復帰したし外岩も復帰だ!ってことで定光寺の岩場に行きました。勿論リードは落ちたらシャレにならんのでトップロープで。これも全然登れませんでした。10bが精いっぱい。ちなみに翌日5月14日に御在所前尾根登りました。
●9月8日現在
ということで最後の方はやや端折りましたが、これを書いている9月8日現在元気にジムに行って、岩や泊りの沢にも行けております。怪我をした直後は本当に気持ちが落ち込み、登山に復帰できるのか不安と絶望に打ちひしがれておりましたが、元気に復活しました。まだまだ長期間の歩きや筋力は元通りとはいきませんが、必ず復帰できますので登山に限らず同じような怪我をされた方々へ、少しでも参考になればと思います。
また年明け位にプレートを抜く抜釘手術が控えておりますので、またその際は改めて記録を残したいと思います。