マイナー沢を求めて 山県市神崎川樫原谷 沢登り【2019年8月31日】
週末にイボGさんと海ノ溝に行こうと約束していたが、週末にかけて連日の雨。水量が決め手の沢なので今回は無理だろうということで表題の沢に転戦してきました。
今回の樫原谷ですが、全くの無名沢で記録もありません。
何故ここにしようということになったのかというと、周辺の地質が気になったからです。地質図と地形図を見ると、この沢は舟伏山周辺の石灰岩帯を通っており、上空写真を見ると露頭らしいものも見える。ケイバーとしての血も騒ぎ、これは行ってみるしかない!とイボGさんに話してみると、「ここ僕も気になってたんです」という回答。なんという偶然。
というわけで実際に見に行ってきました。
結論から言うと地質マニア向けの沢で遡行価値は微妙なところでした・・。
メンバー:イボGさん、私、Tちゃん
装備:一般遡行装備のみでOK 登攀具は不要
体感沢グレード:1級
見所:石灰岩の露頭・綺麗な水
●ルート図 遡行図は気が向いたらUPします
●アプローチ
神崎川出合いに駐車。そのまま準備して入渓できるので非常にアプローチは良いです。
連日の雨で水量はとても多い。
●遡行~下山まで
地形図を見ると沢沿いに登山道がありますが、ほぼ廃道状態です。入渓から平凡な沢筋を進んでいきます。分岐には5m滝が。水の透明度はやたら高く、綺麗な沢です。
石灰岩が混じる平凡な沢筋を遡行図を描きながら進みます。
8m滝。この沢で一番立派な滝です。水量が少なければ左岸から滝中をトラバースして登攀できそうな感じ。今回は左岸を巻きました。本山行中の唯一の巻き。ちなみにここの近辺にはカヤの木が多く、下手に枝を掴むと痛い目を見ます。
進むにつれて段々と石灰岩の割合が多くなってきて、右岸が切り立ってきます。それに合わせて水も少なくなり、ほぼ伏流してくると石灰岩の露頭が。ここが樫原谷のハイライトと言っていいでしょう。休憩するには良いスペースがありますが、ヒルだらけです。
鍾乳洞無いかな~と露頭の際を探しながら歩いてましたが、残念ながら穴は見つかりませんでした。見つけやすい石灰岩帯なので、多分ここら辺は関西ケイバー達に調査されていることでしょう。
このあたりはフズリナの化石なんかも沢山ありました。
水は無くなりましたが、奥の二股を過ぎたところに断層があるみたいなのでさらに進んでみました。暫く伏流しておりますが、岩質が変わってくるにつれて水の流れが復活します。それにしてもここの水は青くて綺麗。
最終的には土砂で埋まり、水流は消失します。ある程度予想はしておりましたが、断層らしきものも確認することはできませんでした。
念のため石灰岩が多そうだった東側の枝沢も覗いたあと、往路下山。
帰りはヒルまみれとなり、私は3か所噛まれました。
最終的には何も無い沢でしたが、気になっていた事が一つ解消されました。
有名な沢に行くのも楽しいですが、ここはこう超えるなどのホールドの位置まで知れてしまう場所だと冒険感が削がれたりします。でも私は心配性なので調べつくしてから行くのですが。。
久々に学生時代やケイビングしていたころの調査する気分を味わえて、なんとも言えない満足感のある山行でした。