ムカデのおにいさんのブログ

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登山ガイド・森林インストラクターとして登山ツアーを作っていたりします。沢と山と自然観察の情報発信と記録のブログ。

国産トリュフことイボセイヨウショウロの発生場所と探し方について 【2019年12月9日】

今年も大学院時代の仲間たちと国産トリュフことイボセイヨウショウロを採集してきました。

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一応おさらいですが、トリュフとはセイヨウショウロ科セイヨウショウロ属に属する子嚢菌と呼ばれるキノコの一種。「世界三大珍味」として名高く、近縁種が広く分布しております。日本では20種程が分布すると言われておりますが、その分類体系はハッキリしないところみたいです。

今年はいつもの黒トリュフに類似したイボセイヨウショウロの他、別な種類のセイヨウショウロが採れました。断面は真っ白。これは国産白トリュフにあたるのか。現在知人が同定中ですが、種が解る方いらっしゃいましたら教えていただければ嬉しいです。

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さて、今回のフィールドですが、こんな感じの場所です。

ザ・照葉樹林といった植生です。シャリンバイ・アラカシ・シロダモ・クスノキタブノキ等が混在する雑木林となります。

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探し方は至って簡単です。リターをひたすらひっくり返していくだけ。最初は団粒や小石との区別がつきづらいですが、慣れるとすぐに感触で解ります。

本場のトリュフは地中に埋没しているみたいですが、イボセイヨウショウロはポッコリと顔を出しています。ブタいらず。

発生期間は割と長いみたいで、10月位からボコボコと発生しているみたいです。

この場所はイボセイヨウショウロの発生地としては大分有名になっているらしく、私たちが採集した時には至るところに採集の痕跡が残っておりました。

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ホストとなる樹種ですが、この場所に分布するイボセイヨウショウロについてはアラカシになるのではないかと勝手に推測しております。今回見つかったイボセイヨウショウロは全てアラカシを中心に同心円状に発生しておりました。

本場のトリュフに関してもブナ科に共生するようなので、同じくブナ科であるアラカシがホストとなる可能性は十分に考えられますね。

ちなみにYoutubeではミズナラ林っぽいところで採集している動画がありました。同種のイボセイヨウショウロなのかはわかりませんが。。

その他のキノコ

タヌキノチャブクロかな?

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ニガクリタケ。一年中生えてるやつ

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ツチグリ。ボフボフと茶色い胞子がでます。

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最後に白トリュフ的なやつ。

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色々見れました。

さて、採ったイボセイヨウショウロはいつものように皆で食べましたがやはりおいしいのかおいしくないのか良く判らなかったです。白トリュフの方がやや香りが強かった気もします。

本場トリュフとの香りの違いを確かめてみたいと楽天で本場トリュフを探してみましたが、お値段グラム3万位したので速攻で諦めました。

分布域は多分めっちゃ広いです。実際は見つけにくいだけで、そこらへんの公園で獲れるようなありふれたキノコなのでしょう。トリュフを自分で採ってみたい!って方は是非探してみてください。