沢登り用の服装・ウェアの選び方と実際に使っているウェアの紹介
今回は沢登りで使うウェアについて解説していきたいと思います。
ウェアについては寒がりな人と暑がりな人で大分意見が分かれるところだと思いますが、参考になれば幸いです。
その他の装備や沢登り全体の概要は下記をご参照ください。
scolopendra-oniisan.hatenablog.com
沢登りのウェア
ポイントとしては①乾きやすく②保温性があり③水を含みにくいウェアを選びます。
基本的には登山用のウェアと同じくインナー・ミッドレイヤー・アウターとレイヤリングするのですが、冷たい沢の水に濡れる事が前提となるスポーツです。より一層体の熱を逃がさないウェアが必要になります。
専用品は撥水加工が施されていたり水中で保温性の高い素材が使われています。泳ぎの多い沢ではウォータースポーツ用のウェットスーツを使ったりもします。
沢に合わせて各自スタイルを組み立てるイメージです。メチャクチャ暖かい沢だと普通にドライTシャツだけで遡行したりもしますし、状況により各自で調整しましょう。
色々な考えがあるので、迷ったら専用品を買った方が良いです。特に昔ながらの山ヤのオッサンはジャージとシャツで十分だ!って言いがちな方が多いです。それを信じてゴルジュでガクガクと震えるかわいそうな初心者を数多く目にしてきました。
メーカーはモンベルとファイントラックが殆どのシェアを占めています。両メーカーで少しコンセプトが異なりますが、そんなには変わりません。
強いて言うならばファイントラックの方が機能面で少し先を行っているかなといった印象。その分高級品です。
普段使っているウェアを紹介しながら解説していきます。
インナー
保温性・速乾性のある動きやすいウェアを着用します。
伸縮性に富んでおり体にジャストフィットすることで体に接触する水分を減らします。通常の登山用インナーでも代用可能。
上半身はこれを一番下のインナーに使用しています。ファイントラックだとラピッドラッシュ が相当する商品なのですが、ファイントラックはさらに一枚薄手のアクティブスキンという商品もあります。
いずれの商品も強力な撥水性を持たせているため、最初のうちは本当に水を含まず泳いでも一瞬で乾きます。ただその撥水性もあんまり持ちません。
メーカーのページでは良い事ばかり書いてありますが、モンベルもファイントラックも3~5日間位使ったら大分落ちてきます。メーカーの人が見たら怒られるかもしれませんが、本当のことだからしょうがない。あんまり気にせず使いましょう。
ちなみにファイントラックだと撥水性復活サービスがあるみたいです。お金に余裕があれば。
私はアクティブスキンはレイヤリングが煩雑になるため使っておりませんが、使用感を聞いていると水濡れ感がさらに抑制されるみたいですね。
下半身は下着を兼ねてミズノのインナータイツを使っています。
これは沢用ではないのですが、ウレタン混合のストレッチ性の高い素材が使われていて非常に調子良いです。
以前は普通のショーツを下着に履いて遡行してましたが、長い距離を歩くと必ず股ずれを起こして痛い思いをしてました。水を含むと股ずれしやすくなるので、インナータイツを履く場合も下着はスパッツタイプのものがオススメです。
沢用のウェアとしては、上半身と同じようにアクアボディ(モンベル)やラピッドラッシュ(ファイントラック)のタイツが販売されています。
ミッドレイヤー
泳ぎが多かったり気温の低い沢で使用します。
インナーよりも厚手で水はけの良い素材が使われており、水に体が濡れた状況でも体温を保ちます。
私の所属している山岳会の主催する登山学校だと初心者は必ず買わされてるので、。私はこれを制服と呼んでいます。少し厚手で保温性があり、水はけが良いです。新品の撥水性の高さには感動します。通気性も良いので詰めやアプローチで着たまま行動できます。
モンベルの商品では相当する商品としてはライトネオプレンロングスリーブシャツになります。もっと分厚いネオプレン パドリングフルジップってのもあります。
両商品で大きく違うのが素材です。フラッドラッシュはドライTシャツ等と同様にポリエステルとポリウレタンの混合生地でできているのですが、ライトネオプレンシャツはその名の通りネオプレン、つまりクロロプレンゴムでできています。
そのため、保温性能はモンベルの商品が勝りますが、通気性・速乾性はファイントラックの物が秀でています。
寒がりな方はネオプレンのものをオススメします。暑けりゃ脱げば良いだけの話ですから。
下半身は逆にモンベルのライトネオプレンタイツを使っています。基本的に温度調整は上半身で行い、ウェアの数も煩雑にしたくないのでインナータイツも兼ねてこの一枚です。下はミズノの下着のみです。
フラッドラッシュも同様にタイツが販売されています。
アウター
レインウェア
さらに寒いとき、長く泳ぐときや、シャワークライミング時はアウターとしてレインウェアを着込みます。
特に水流がある沢ではレインウェア必須です。イメージとしてはウィンドブレーカーと一緒です。体に当たる水流を減らし体温低下を防ぎます。
使うレインウェアはなんでも良いですが、消耗が激しいので登山で使っているものをそのまま使うともったいないです。使わなくなったウェアがあればそれを使いましょう。ワークマンで売っている上下5,000円位のレインウェアも十分使えますので、それらを使うのもアリです。というかおすすめです。
ワークマンのヤッケ
某山岳会が激押ししてますが、ワークマンで売っているような作業用ヤッケも水流を防ぐことができ非常に便利です。完全防水ではないので長時間滝に打たれているようなシャワークライミング時にはレインウェアの方が良いですが、必要十分です。
何より安い!一着5百円位で買えますので、高価なレインウェアを使うのがバカらしくなります。
下半身はタイツのままでも良いんですが、ヤブ漕ぎなどで体をガードする必要がありますので、アウターパンツを履きます。もちろん水着などで代用可能です。レインウェアはさらにこの上に着ちゃいます。
この商品は耐久性が非常に高いのと、ポケット内がメッシュになっており水抜けが良く小物を入れておきやすいのでオススメです。
ファイントラックのカミノパンツも似たような商品でとても良いみたいですが、沢で使うには値段が高すぎます。
ウェットスーツ
泳ぎの多い沢やさらに寒い沢ではウェットスーツを使います。
この商品はアマゾンで10,000円もしない位の3mmネオプレンスーツですが、これだけで上下のウェアを兼ねちゃうので非常に使いやすいです。キャニオニングやシャワークライミングツアーなどのレンタルではウェットスーツの場合が殆どですね。
私はロングスリーブのフルスーツを使ってますが、沢だとジョンの方が温度調整しやすく便利だと思います。
下の画像は泳ぎメインの川浦渓谷に行ったときの写真です。ウェットスーツの上にアウターを着込んでいます。右の男性は仲間内で最も暑がりでフィジカル強者のTさんです。彼はこのアホみたいに泳ぐ沢でもインナーのみで余裕でした。
以上、沢登りの服装についての解説でした。
思えば学生時代は何も気にせずTシャツにジャージで遡行していた思い出があります。年を取るにつれて年々寒さに負けてきている気がしますね。