ムカデのおにいさんのブログ

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登山ガイド・森林インストラクターとして登山ツアーを作っていたりします。沢と山と自然観察の情報発信と記録のブログ。

岩倉川支流 樽ヶ沢~岩倉川本流下降 沢登り【2019年9月22日】

3連休は天気予報が悪く沢の予定をキャンセルして引き籠る準備をしていたのですが、思ったよりも悪くなさそう&たまたまS夫妻が法事で岐阜に来ていたので急遽沢に行くことに。南木曽 岩倉川支流の樽ヶ沢を遡行し、岩倉川本流を下降してきました。

全体的に迫力ある滝が多く、またその殆どを快適に登る事ができて簡単ながらも非常に楽しい沢でした。

●メンバー:私、S夫妻 

●装備:一般遡行装備+登攀具一式

●体感沢グレード:2級 滝登り系 高巻も踏み跡明瞭で快適

フリクション:普通。日当たりよく滑る箇所あり。ラバーでもフェルトでもOK

●見所:見応えある滝 滝登り

●コースタイム:林道ゲート(8:30)…樽ヶ沢出合(8:40入渓)…伐採地(11:00)…作業道(11:30)…岩倉川出合(12:40)…林道ゲート(14:30)

ルート図

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●アプローチ~樽ヶ沢

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林道ゲート前のスペースに4台分程のスペースがあります。駐車して準備をして出発。

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林道ゲートから10分弱で樽ヶ沢出合に到着です。アプローチ最高!

出合いから豪快で明るい渓相が見てとれ、面白い沢の雰囲気満載です。

岩質は花崗岩~変成岩がメイン。

基本的にはフリクションは良好ですが、日当たりがよいためかヌメり苔のあるところもしばしば見受けられます。

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最初の滝。階段状でどこからでも快適に登れます。

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6m滝。ここは直登もOKですが、しょっぱなから激シャワーは勘弁だったので左岸から巻きました。灌木豊富で特に危険なところはありません。

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S夫は早速ずぶ濡れになりながら直登。気合い入ってますね。

ちなみに今回の沢は全体的に魚影が濃かったですが、樽ヶ沢と岩倉川本流で棲み分けが起こっていたのが面白かったです。樽ヶ沢ではアマゴのみ、帰りの岩倉川ではイワナしか見られませんでした。

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登った先の30m滝は左側から直登。

階段状になっておりホールドも豊富なため容易に直登できますが、高さがあるので不安な場合はロープを出してあげた方が良いかもしれません。上部に残置ハーケンあり。

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滝を登るS夫

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そこからいくつかの容易な滝を登ると、チョックストーン滝10m。

ここは両側が磨かれたスラブで切り立っているので登れません。左岸から明瞭な踏み跡とピンクテープを目印に高巻。

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35m大滝。この沢は本当に見応えのある滝ばかりで飽きさせません。

ここは流芯右側より直登。少しヌメりがあるのと高さがあるのでロープを出しました。クラック豊富でカムがよく効きます。途中のバンドに支点構築し突破。

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上からの眺め

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このCS滝3mはCSの隙間から快適に登ります

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倒木のかかる8m滝。落ち口までは階段状ですが、乗越がヌメって悪い。横に走ったクラックにアブミセットして頑張れば登れそうですが、素直に巻きました。

左岸から快適に巻けます。

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枝沢との出合にかかる3m滝。

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ここも快適に登れます。ここを過ぎると沢幅が小さくなり、渓相が穏やかになります。

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熊の足跡を見つけました。鋭い爪までクッキリとプリントされていることから恐らく夜から朝にかけての足跡でしょう。

●伐採地~岩倉川~林道ゲート

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伐採地出合いです。上部の作業道から枝沢沿いに伐採作業用のワイヤーが張ってあります。また砂防堰建設作業中らしく、作業道具が散乱しています。これ以上登っても特に見所は無さそうなので沢沿いに作業道に出ました。

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伐採&建設作業により土壌がまだ安定していないガラガラの枝沢を登ります。

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作業道と伐採した材木などを運搬するワイヤー。このワイヤーって沢に行くと結構高い頻度で放棄されていますよね。

ここで昼休憩を取って下山ルートをどうしようか話し合い。選択肢としては長い作業道を下り降りるルートと沢筋または尾根を下りショートカットして岩倉川に降りるルートが取れます。

今回は沢筋を下るルートを選択しました。

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作業道から檜林~ササ藪~枝沢となり岩倉川本流に到達できました。ササ藪は濃くはないので、割と快適に下る事ができますが、枝沢は結構ヌメるので注意。40分程で岩倉川本流に合流。

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本流はゴルジュや釜があり非常に綺麗です。当初林道まで上がる予定でしたが、下りも面白そうだったためそのまま沢沿いに下降しました。全てフリーで下る事ができ、懸垂下降などはしませんでした。

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林道合流し下山。

急遽行くことになっていた沢でしたが、思いがけず非常に楽しい沢を楽しむことができました。良い沢だった